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35.再び社長が入院

 エイプリールフールの201941日月曜日、社長の昇は朝から激しい背中の痛みに襲われてベッドから立ち上がることができませんでした。

前日の日曜日は終日元気に農場で働いていました。

インフルエンザかもしれないと考え、翌日検査に行こうと安静にしていました。

しかし夜になっても翌朝も激しい痛みと39℃以上の高熱はおさまらず、病院に行きました。

3年前に入院していたこともあり、すぐに血液検査やCT検査をしました。

結果、再び「連鎖球菌による感染性脊髄炎」とわかり緊急入院となりました。

2度目の入院は1度目より症状が重かったため、最初の10日間はベッドから降りる事すらできませんでした。

苦しい入院は36日間を数え、連鎖球菌による炎症も完全に無くなり退院した時には体重は10kgも減っていました。

今回の入院では、農場スタッフのモチベーションが大きく下がりました。

スタッフが少なくなったところで社長が入院し、さらにスタッフへの作業のしわ寄せは増えました。

社長のいない農場の成績は下がり、赤字体質に突入して行きました。

そんな空気を察知し 、昇は大きな業務改革を行おうと病院のベッドで準備をしていました。

退院してから約1ヵ月自宅療養しリハビリをして、その後現場復帰しました。

規模縮小を伴う業務改革を発表すると、スタッフからさらに不満が出て退職者が相次ぎ入院前5名いた農場スタッフは結局1名となってしまいました。

しかし、賛同して残ってくれたスタッフと業務改革にまい進しました。

規模を縮小し、離乳舎を移動して作業に伴う動線を短くし業務効率を向上させました。

その結果成績は徐々に持ち直し、農場は落着きを取り戻しました。

2度も命の危険にさらされながら、後遺症も無く復活できたことは奇跡としか言いようがありません。

何かを成し遂げるために神からもらった命と感じるようになりました。

梅山豚を苦しめ続けている連鎖球菌、大切なスタッフと梅山豚を菌から護るため真剣に菌の撲滅に乗り出しました。

時は「平成」から「令和」に変わる節目の時をベッドの上で過ごした昇、この入院は一生忘れられない事になりそうです。


# by meishanton | 2020-12-28 13:40
34.直営のつかはら肉店を開店

 私達は東日本大震災直後イーアスつくばに直営店を出店していました。

震災後の自粛ムードにより、梅山豚の販売に苦戦していました。

何かを変えなければと、イートインを併設した販売店を出店し、週替わりの梅山豚メニューを提供したのが好評で、初めての直営店は大盛況でした。

しかし梅山豚の生産が手薄になり組織がギクシャクしてしまって8週間で閉店となりました。

ほろ苦い結果となった初めての直営店でしたが、いつかは再び店を出したいという気持ちをずっと持っていました。

あれから8年、遂にその時がやってきました。

地元境町で焼き立てパン屋さんが閉店し、そこが空いたままになっていました。

牧場からは車で2分ほど、歩いても行ける境町の中心地です。

社内で様々検討を重ね、メンチカツのテイクアウト店としてオープンする事にしました。

なぜメンチカツなのか?

それはお取引先の引き合いが強い「ロース肉」や「バラ肉」ではなく「ウデ肉」を使えること、ハンバーグとは違って牛肉を合わせなくても、梅山豚の美味しさをダイレクトに味わってもらえる事からメンチカツになりました。

メンチカツはお取引先でもある東京の人気居酒屋「赤坂まるしげ」さんにレシピを提供いただき、粗挽きの肉汁溢れるメンチカツができました。

お店のロゴや内装外装は地元の若手クリエイター「NUVWORKS」さんにお願いし、素敵なお店も出来上がりました。

そして2019129日つかはら肉店は開店しました。

紆余曲折があった直営店を再び出店するにあたって、昇は誓います。今回はつくばのお店のように8週間で閉店にならないように。

そして最初は売れなくても永く愛される店にしようと。

宣伝もせず、チラシも入れず、お花も飾らず、ひっそりと開店した直営店。しかし店に込める想いは並々ならぬものでした。

唯一の直営店には全ての商品を買えるように冷凍ショーケースを並べました。

来店される一人一人のお客様を大切に、そして繰り返し来店されるファンが増えますようにと願いながらゆっくりゆっくりスタートしました。

しかし、まだこの時は新たな悲劇がおきようとはスタッフ一同予想だにしていませんでした。


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# by meishanton | 2020-12-21 09:23
33.満天☆青空レストラン

梅山豚はこれまでいくつものテレビ取材を受けてきました。

旅番組や料理番組からバラエティ番組まで様々出演してきました。お取引先の料理人の方が梅山豚を使った料理として紹介してくださったことも多くありました。

料理番組の中でも宮川大輔さんがMCを務める日本テレビの人気番組「満天☆青空レストラン」、農家であればきっと誰もが出演したい憧れの番組です。

大輔さんの「うま~い」の一言が多くの生産者と視聴者を結び付けて来て10年目に入るという長寿番組です。

実はこれまで幾度となく番組からは「候補に挙がっています」と取材の可否の問い合わせが来ていましたが、最終的には「別の食材に決まりました」 という結論で取材は無くなり、この番組とは縁が無いのかなと諦めかけていました。

20183月に取材の可否の連絡が入った際にも、またきっと今回も・・・と半ば諦めていました。食材の取材は、特に魚などは天候に左右されますし、果物や野菜も旬のものを特集します。

豚肉には旬があまりなく、いつでも撮影できると考えられていたようです。

しかし、遂にその日がやって来たのです。記念すべき450回目の放送という事で撮影にも熱が入っているようでした。

3日間にわたり、農場の梅山豚の様子や餌工場の原料、そして塚原牧場スタッフによる梅山豚料理の風景を事前に撮影しました。

しかしなぜか最後までゲストが誰なのか教えてもらえませんでした。

そして本番当日に入り向こうから大輔さんと歩いてきたのは、なんと嵐の二宮さん!そうニノでした!スーパーアイドルのニノという事で、トラブルを防ぐため私達にも知らせなかったようです。

牧場のスタッフもニノがやって来たことで皆ソワソワ、そしてニコニコ。

放送後は凄い反応で何人ものニノファンがうちを突然訪れ、改めてスーパーアイドルの影響力を感じました。

撮影はとっても和やかに進みました。

手作りの肉饅頭などの梅山豚料理はとっても美味しくできて、ニノにも大輔さんにも喜んでいただく事ができました。

今でもあの興奮が蘇ってくる忘れられないテレビ出演になりました。


# by meishanton | 2020-12-16 08:43
32.あおぞら市を開催

欧米は一般にマルシェと呼ばれるファーマーズマーケットが各地で開催されて賑わっています。

一流料理人から一般の方まで、新鮮で質の良い農産物を求めて多くの人が買いに向かいます。

日本でも東京や大阪、茨城でもつくばなどでマルシェが開催されています。

私たちもつくばのマルシェに参加したりしながら、いつかはファーマーズマーケットを自ら開催したい、そんな希望を抱いていました。

その土地でできたものは、地元産ということで愛着がわくものです。

さらに、長距離の輸送が無い分新鮮で、輸送による環境負荷も少ないというメリットがあります。

日本ではほとんどの養豚家は豚を育てるのみで、豚肉を販売する事はありません。

しかし私たちはこれまで農協や食肉市場ではなく、直接ご家庭に梅山豚肉を届けてきました。

それは梅山豚が世界一の多産系豚で未熟児が多く産まれ、育てる事が難しくどうしても生産コストが高くなること、さらに品種改良が進んでいない原種豚のため食肉にした際の歩留まりが悪くコスト高になってしまうこと、そういった説明をして理解してくださる方にしか販売できないのです。

一種の訳アリ商品でもある梅山豚、そんな訳を聞いていただきたいし知っていただきたい。

こうした思いを実現する場が「あおぞら市」です。

1回は20183月、先ずは地元境町の方々に向けて始めました。

小さな新聞折込広告を見て集まっていただいた方は100名ほど。

10時の開店2時間前から並んでいただいた方もいて用意した梅山豚肉2頭分はたった1時間で完売しました。

売り切れなかったらどうしようなどという心配も杞憂となり、「また開催してね」 というお声を多数いただき笑顔になりました。

それから第2回、第3回、第4回、第5回と会を重ねています。

将来は他の農家さんと組んだファーマーズマーケットを開催できればと思っています。

米や野菜やハーブなどと共に梅山豚を販売するのです。

農家が農協や市場以外に販路を持つという事は、経営の安定にもなりますが、何よりやりがいを感じるものです。

人に求められるのを実感した時、さらに私たちはモノづくりに打ち込めるようになるのです。

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# by meishanton | 2020-11-05 19:25
31. SMBCアグリファンドより出資を受ける

 個人から農業生産法人への移行を終えて、社長の昇はホッとする間もなく動き始めました。

法人化のための資金を銀行に頼ったため自己資本が少なく、経営は安定しているとは言えませんでした。

社長個人が資本金を出すにも限界があります。

そこで昇は、以前働いていたベンチャーファンドの経験を活かして、出資を募る事にしました。

現在は政府系、銀行系、事業会社系と様々な農業ファンドが立ち上がり、日本中の有力な農業法人に出資し支援をしています。

そこでいくつかの農業ファンドに接触し出資を打診してみましたが、最初は良い感触をもらえませんでした。

農業ファンドが難色を示したのは、塚原ファーム(生産)と塚原牧場(販売)の関係でした。

それぞれが別の株主構成となっていて、資本関係が無かったため一つのグループとは見なしにくいという判断でした。

そこで、株式交換という方法で塚原ファームを親会社として塚原牧場を子会社としたグループ構成に再編を行いました。

こうして農業ファンドが出資しやすい形ができたのです。

農業ファンドとは様々な交渉を行いました。

先ずは事業計画の具体性が厳しく審査されました。

たった100頭の梅山豚でどのように利益成長をするのか。

これは長年私達の経営テーマでもあります。

さらに、その利益成長に沿って将来の企業価値をいくらにするのか。

そして何パーセントの株式をファンドに割り当てるのか。

パーセントによっては経営権も渡すことになります。

様々交渉を重ねた結果201712月銀行系のSMBCアグリファンドからの出資を受けることにしました。

同ファンドが梅山豚のこれからの可能性を最も高く評価してくれたからです。

資本が充実し、信用力も高まり、新たな形でリセットされた塚原グループですが、器ができても魂を入れていくのはこれから

です。

目指している理想は、自給飼料で育てた梅山豚を、1頭残らず自らの顧客(ファン)に販売して行くこと、

つまり究極のファンマーケティングです。

日本の養豚家がいまだ実現できない新しい形を目指して、ファンと共に進んで行くと決心したのです。


# by meishanton | 2020-10-16 18:44

梅山豚の最新情報をお届けします。
by meishanton
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