104.虫から学ぶこと |
小さい子供たちに虫が嫌いな子が増えているようです。
事実私の小学生の甥っ子も虫が嫌いで、カブトムシも触れません。私が小学生の頃は早起きしてカブトムシ採りに行ったものです。
たくさん採ってはケンカをさせたりして楽しみました。
虫かご一杯のカブトムシが夜動き回ってぶんぶん飛ぼうとするので眠れないと家族に注意された思い出があります。
ニュースで2012年からノートの定番「ジャポニカ学習帳」の表紙に虫を取り上げるのを中止するというのを見たことがあります。
虫が怖いとか気持ち悪いとかいうクレームが多数あったためだと聞きました。
虫嫌いもここまで来たのかと悲しくなりました。
そもそも私達人類は霊長類に属しています。
およそ1億年前に地球上に最初の霊長類が現れ、さらに4千万年前に後足立ちができるようになり、3千万年前には尾のないサルが現れ、さらに600万年前になってやっと人間に近いヒト亜科として区分される動物が現れます。
しかし昆虫は地球の歴史上、約4億年前に動物の陸上進出が始まった頃に上陸した動物群の一つです。
さらに2億年から3億年前には既に現在のゴキブリやトンボの祖先が登場しているのです。
ヒトよりずっとずっと前から地球に生息し続ける昆虫の生態を知ることは実は大切な事でもあるのです。
最近ではスマートフォンを進化させるヒントを昆虫に求める研究が進んでいます。
この研究はバイオミメティクスと呼ばれ、例えばカメラ、ヒアリやキクイムシの複眼は200個近い独立した光学ユニットで構成されています。
この構造が広い視野とほぼ無限の焦点深度を可能にしています。
こうした昆虫の眼を研究した結果、180個のマイクロレンズからなる半球体の小さなカメラが開発されました。
一つ一つのレンズがそれぞれ異なる角度から写真を撮影することで、画角160度のクリアな画像が得られます。
これは通常のスマートフォンカメラの2倍の画角です。
他にもチョウの羽から学んだ撥水コーティングをオハイオ州立大学のエンジニアたちが開発しました。
チョウの羽は表面の微細な溝とワックスで水滴が付着しない構造で、それを応用して水、ほこり、泥などを寄せ付けないナノ構造のコーティングを作るのです。
さらに、コオロギの毛を模した特定の音のみを聞き取ってくれるマイクなど、昆虫から応用できる技術が今後続々出て来そうで、昆虫無しには未来のスマートフォンはありえないのかもしれません。
昆虫というと俳優の香川照之さんが「昆虫すごいぜ」というテレビ番組に出演して人気です。
彼の昆虫好きは有名で、インセクトマーケットというブランドで昆虫柄の子供服をプロデュースしこちらも人気を博しています。
子供たちの昆虫嫌いに一石を投じることができるのか?
彼の活動を応援したいと思います。
注)ジャポニカ学習帳は2020年に昆虫を表紙に一部復活しました。
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