101 お肉の未来 |
米国のあるコンサルティング会社のリポートでは、人が消費する肉は、2040年には牛肉や豚肉や鶏肉などの動物から得た肉が40%になり、大豆に代表される植物肉と細胞培養した肉が60%を占めると予測しました。
今から19年後の未来の肉について考えてみましょう
そもそもなぜ肉は植物肉や培養肉などの代替肉に置き換わって行くのでしょう?
それは既存の食肉生産方法が限界に来ているからです。
牛や豚や鶏の餌はトウモロコシや大豆などの穀物です。
現在世界の穀物収穫量の37%は人間が直接摂取していますが、それを超える46%が畜産の飼料として消費されています。
しかし、気候変動や地球温暖化が原因となり穀物の収穫量は増えていないのが現状です。
一方、世界人口は70億人を超え増加中で2100年に109億人となると国連が予測し、人間が直接摂取する穀物を増やさなければならないという事情もあります。
また、変換効率の悪さも以前から指摘されています。
例えば牛肉は1kgを作るのに15kgの穀物原料が必要とされ、その変換効率は7%です。
一方培養肉は大豆、豆、コーンなどの穀物原料から作られる培養液1.5kgで1kgの肉を作れるとされ、変換効率は実に75%にもなります。
さらに、畜産による環境汚染も深刻です。牛から出るげっぷや糞尿からのメタンガスは二酸化炭素の25倍の温室効果をもたらします。
世界的なカーボンニュートラルの議論に畜産が組み込まれてもおかしくはないと言う専門家もいます。
これまでもベジタリアン食やビーガン食などがありましたが、その風味から一般的に受けが悪くニッチなマーケットとなって来ました。
しかし、最近の植物肉は本物の肉に近い風味を再現するのに成功し、アメリカのビヨンドミート社やインポッシブル社の植物肉を大手ハンバーガーチェーンやレストランチェーンが扱いを増やしています。
さらにその先は培養肉へ移行して行くと考えられています。
培養肉は動物細胞を培養液で培養する方法ですが、培養液のコストダウンにはもう少し時間がかかる模様です。
培養肉を作る技術は乳、卵、魚肉も作れるため、いずれ食品市場全体に波及して行くと考えられています。
しかしながら、結局は食べ物ですからその安全性と健康、倫理観などが重視されることでしょう。
どれだけ進化をしても生物をいただくことに対する畏敬の念は忘れないようにしなければなりません。
2040年私達の梅山豚はどうなっているのでしょう?
持続可能な畜産でなければ存続は難しい、植物肉と培養肉との戦いが既に始まっているのです。
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