38.ゲストシェフを招いて |
いつかは梅山豚のレストランを開きたいという想いを永年抱いて来ました。
直営のつかはら肉店はメンチカツのテイクアウト店として開店しましたが、イベント的にレストランを営業してみたいという考えもあり、実は飲食業許可も取得していました。
開店1年を経たところで、いよいよいくつかイベントを行うことにしました。
まず最初のクラフトビールの会は地元のさかい河岸ブルワリーさんを招いて行いました。
道の駅さかいにできたビール工房では、IPAやペールエールなどの他に地元さしま茶を使ったさしま茶エールも人気で、飲み比べをしながら楽しみました。
さらに日本酒の会では地元の酒蔵、萩原酒造の若き杜氏萩原専務を招いて行いました。
彼が醸した様々な日本酒の語りを聞きながらいただく梅山豚料理はいっそう美味しいものでした。
その他焼酎の会、ウイスキーの会、ワインの会とお酒を決めてそれに合う梅山豚料理を創作しゲストに楽しんでいただきました。
酒と梅山豚の共演は口コミであっという間に席が埋まり毎回大盛況となりました。
そんな中、取引先のある東京の若手シェフが独立するため店を閉店すると聞きました。
「今しかない!」ゲストシェフとしてつかはら肉店に招いて応援したいという思いで申し出ると、シェフは快くゲストシェフを引き受けてくれました。
シェフの名は横田悠一、パリの星付きレストランPAGESでスーシェフを務め、日本に戻ってからは梅山豚を気に入って料理に使ってくれていました。
ディナーとランチをそれぞれ8席準備しましたが、東京に行かないと食べられないようなフランス料理を地元で食べられるとあって案の定予約はあっという間に埋まりました。
パリを感じる特別な一皿一皿に、自然と皆さんの笑顔が弾けました。
そしてメイン料理はもちろん梅山豚、炭火で時間をかけて丁寧に火入れされたローストは、肉汁が溢れ出しとろけるような脂身で、横田シェフも自画自賛する出来栄えだったようです。
やりたかった事の一つがまた叶いました。
常設ではないけれどゲストシェフを招いてレストランができました。
プロが作る渾身の梅山豚料理を是非地元の方々にも味わっていただきたい。
いつかはレストランをという夢が広がる肉店のイベントはこれからも継続して行こうと考えていた矢先、思いがけない嵐に飲み込まれていくのです。
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