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31. SMBCアグリファンドより出資を受ける

 個人から農業生産法人への移行を終えて、社長の昇はホッとする間もなく動き始めました。

法人化のための資金を銀行に頼ったため自己資本が少なく、経営は安定しているとは言えませんでした。

社長個人が資本金を出すにも限界があります。

そこで昇は、以前働いていたベンチャーファンドの経験を活かして、出資を募る事にしました。

現在は政府系、銀行系、事業会社系と様々な農業ファンドが立ち上がり、日本中の有力な農業法人に出資し支援をしています。

そこでいくつかの農業ファンドに接触し出資を打診してみましたが、最初は良い感触をもらえませんでした。

農業ファンドが難色を示したのは、塚原ファーム(生産)と塚原牧場(販売)の関係でした。

それぞれが別の株主構成となっていて、資本関係が無かったため一つのグループとは見なしにくいという判断でした。

そこで、株式交換という方法で塚原ファームを親会社として塚原牧場を子会社としたグループ構成に再編を行いました。

こうして農業ファンドが出資しやすい形ができたのです。

農業ファンドとは様々な交渉を行いました。

先ずは事業計画の具体性が厳しく審査されました。

たった100頭の梅山豚でどのように利益成長をするのか。

これは長年私達の経営テーマでもあります。

さらに、その利益成長に沿って将来の企業価値をいくらにするのか。

そして何パーセントの株式をファンドに割り当てるのか。

パーセントによっては経営権も渡すことになります。

様々交渉を重ねた結果201712月銀行系のSMBCアグリファンドからの出資を受けることにしました。

同ファンドが梅山豚のこれからの可能性を最も高く評価してくれたからです。

資本が充実し、信用力も高まり、新たな形でリセットされた塚原グループですが、器ができても魂を入れていくのはこれから

です。

目指している理想は、自給飼料で育てた梅山豚を、1頭残らず自らの顧客(ファン)に販売して行くこと、

つまり究極のファンマーケティングです。

日本の養豚家がいまだ実現できない新しい形を目指して、ファンと共に進んで行くと決心したのです。


by meishanton | 2020-10-16 18:44
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