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豚肉から見るアメリカ対中国

 トランプ大統領の就任以来、世界情勢は不確実性をさらに増して来たと感じます。

北朝鮮、メキシコ、イランとの緊張関係は続き、最近では中国との貿易戦争が激しさを増しています。アメリカと中国の覇権争いと言われるこの貿易戦争は主にハイテク分野ですが、実は農産物でも熾烈な駆け引きが繰り広げられています。

2015年世界の豚肉の生産頭数は年間12億頭、その中で7億頭を生産するのが中国です。

しかし、2015年を境に自国での生産では追い付かず、約280万トン(=4000万頭)の豚肉を輸入しました。

もちろん約130万トンの豚肉を輸入する日本を抜いて世界最大の豚肉輸入国となっています。

その象徴が2013年にアメリカ最大の豚肉工場であるスミスフィールド社を中国企業が4750億円もの金額で買収したことです。

これにより現在では大量のアメリカ産豚肉が中国へ輸出されることになりました。

さらに、豚肉の生産に欠かせないものがトウモロコシと大豆です。

特に大豆は世界最大の輸入国になったのが中国で、2016年には8000万トン以上を輸入し、その約40%をアメリカから輸入しています。

大豆はサラダ油を搾油した後の「大豆粕」が豚の飼料には必須となっています。

以上の豚肉とそれを生産するための大豆が米中貿易戦争による関税引き上げにより滞り始めたのです。

中国人にとって豚肉は最も重要な食料です。

近年の経済発展により豚肉消費の増加に生産が追い付かず、輸入を増やして切り抜けてきました。

そんな中、密かに進む中国の豚肉不足、それは中国のインフレへとつながって行くような予感です。

食は全ての基礎です。

この豚肉危機が中国の政治不安に発展しないか?ハイテクばかりではないアメリカ対中国の覇権争いに、日本でも目が離せません。


by meishanton | 2019-02-01 19:27

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