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人工授精の試み

私達は人工授精(AI)に挑戦しています。

牛では一般的ですが、豚ではまだまだマイナーな世界です。

挑戦して5年、段階的にステップを踏んで進み、いよいよ結果が出てきました。

受胎率はこの6月単月でついに100%を記録しました。

6月に交配した梅山豚が全て妊娠したという事です。

以前は、実際の雄と雌で交配をしていました。

しかし、受胎率が徐々に下がって行きました。加えて1回当たりの出産頭数も少なくなっていました。

多産系の梅山豚にしては寂しい出産頭数が続き、原因がわからないままでしたので思い切って人工授精(AI)を導入したのです。

交配は雄豚と雌豚という別々のコンディションを合わせる作業です。

特に難しいのが雌豚の交配適期の見極めですが、比較的解りやすいのが雄の精液のコンディション確認で、これが人工授精という事になります。

 交配担当者は唯一農場の将来を担っています。

子豚が産まれないとその他の部署の仕事は発生しません。

だから多くの農場はベテランを交配担当にしています。

勘と経験に頼っていたのが交配でもあります。

しかし、人工授精はその勘と経験に頼った交配を大きく変えそうです。

採取した精液は活性や精子数を確認して手順に従って希釈・保存します。

その後、実際に交配適期の雌に注入する際にも再度活性や精子数を確認し記録します。

繰り返し精液の状態を確認しながら経験の少ないスタッフでもその手順を覚えれば結果を残すことができます。

勘と経験が重要だけれども実際は豚任せだった交配という重要な作業を、データに基づいてベテランでなくても取り組みやすいものにしたのが人工授精なのです。

こうした業務改革は畜産に限らずあちらこちらで見られるようになっています。

科学的根拠に基づいたアプローチが勘と経験を上回る新しい時代が始まっています。


by meishanton | 2018-09-03 18:38 | 社長のコラム

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