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23.イーアスつくばにて期間限定の直営店出店

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 東日本大震災は私たちにとって大きな転機になりました。

西日本のお客様からのキャンセルが増え、東京周辺は計画停電もあり

自粛ムードが広がり梅山豚の受注は低調になりました。

しかしながら、梅山豚は既に産まれて元気に生育しています。

そこに舞い込んできたのがイーアスつくばというショッピングセンターへの出店です。

直営店は初めての経験でしたが思い切って出店を決断しました。

減ってしまった受注で梅山豚に余剰が生じ始めていたのです。

お店では肉や加工品を販売し、その奥にはイートイン12席を設けました。

おなじみの点心やミックスフライ、蒸篭蒸しやキーマカレー、

豚丼など週替わりの1品メニューを設定し8週間の期間限定で提供しました。

初日は来店客も少なくどうなる事かと不安になりましたが、日を追うごとに来店客が増え、

週替わりメニューを全て制覇する常連さんまで現れました。

私たちは開店前にお店の新しいスタッフと誓っていました。

今日の売り上げは追わない事、そして未来のファンを増やす事を。

そんな私達の想いは伝わり、12席のイートインには連日100名超の来店があり

大賑わいになりました。

ラヂオや新聞、ツイッターなど多方面で取り上げられ、

最終日には閉店を惜しむ声を多く聞くことができました。

しかし、つくばでの直営店に注力すればするほど、牧場の成績は悪くなって行きました

種付け成績は下がり、子豚の死亡は増え、社内のムードもギスギスして、牧場スタッフの

不安は増し、退職する者まで。

何をやっているのだろう・・・。

浮足立った初めての直営店は大きな反省を抱えながら8週間で閉店となりました

夢だった直営店は現実から夢にまた逆戻り、自分たちで育てた梅山豚を自分たちの手で販

売するという設立当初からの目標はまだまだ遠かった事を実感するのです。


# by meishanton | 2019-11-06 19:14
22.東日本大震災により放牧を休止

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2011311日午後、忘れもしません。これまで経験した事の無い激しい揺れに襲われた東日本、私たちは2階の事務所でミーティングをしていました。何とか1階に降り携帯電話で牧場スタッフの無事を確認しようとしましたが、携帯電話がつながりません。半年前に放牧場を拡張し、数名のスタッフが放牧場で作業をしていました。


その後、2日間の停電がありました。最も頭を悩ませたのは「水」でした。梅山豚は地下100メートルからの井戸水を飲んでます。しかし、電気が無いと井戸を汲み上げるポンプが動きません。水が出ないと、母豚は水を飲めず母乳出なくなります。肉豚も水が飲めないと餌を食べなくなります。何よりも大切な水・・・親戚の井戸まで水をいただきに行ったりもしました。停電が解消して水が出たあの感動は今でも忘れられません。


その後、停電が解消してテレビのニュースを見てからが本当の苦難の始まりでした。福島第一原発の事故により放射能が広範囲に飛散しました。拡張したばかりの放牧場の土からも微量の放射能が検出され、私たち20年以上続けて来た放牧を休止する決断をしました。


さらに、深刻だったのは風評被害です。茨城県産の梅山豚は、特に西日本のお得意様を多く失いました。信頼を回復すべく私たちは独自で全ての枝肉の放射能検査を行い、結果をFacebookで毎週公表してから販売しました。放射能汚染されていない事を証明しながらも注文のキャンセルが続く毎日は不安で一杯でした。


そんな中でも、応援して下さる梅山豚ファンの方々が多くいました。真剣に安全性をPRする私たちに新たなファンも現れました。苦しみから産まれた絆を強く実感した2011年は、私たちの再出発の年となりました。




# by meishanton | 2019-10-25 19:07 | 梅山豚のあしあと
100.食の教養を深める

【安売りされる食品】

朝の新聞に入る折込広告でよく目にするのは「〇〇豆腐 ○○%引き」「卵 超特価〇〇円」「冷凍食品4割引き」等の食品の安売りです。人の身体を作る大切な食べ物なのに、安い価格についつい引き付けられるのも現実です。

 グローバル企業や大企業のおかげで、1年中トマトが食べられ、1年中サーモンが食べられ、1年中グレープフルーツが食べられます。そんな中で、季節感に彩られた日本の食文化が廃れてしまっているのも事実で悲しい気分になります。

【季節のいろどり】

 春には筍、花山椒、菜の花、新玉ねぎ、蛤、鰆、ホタルイカ

夏にはジュンサイ、トウモロコシ、ゴーヤ、ミョウガ、モモ、雲丹、鱧、鮎、

 秋には松茸、新米、栗、さつまいも、梨、秋刀魚、

 冬には松葉ガニ、白子、赤貝、牡蠣、鮟鱇、寒ブリ、フグ、クエ

 旬の味覚をその産地で味わったり、本当の贅沢を日本人は知っていたはずなのに、今ではそれを楽しみに来日する外国人観光客の方が、もしかしたら日本の季節感を楽しんでいるのではないでしょうか?

【料理を引き立たせる名脇役】

 食器も同様です。

 地方にはその地方の伝統的器や食器があります。六古窯と言われる信楽焼、備前焼、丹波焼、焼、瀬戸焼、常滑焼は900年以上の歴史があり現在も生産が続いています。飛鳥時代から始まったとされる越前塗、平安時代の遺跡からも発掘されている輪島塗、江戸切子等々、日本独特の食器が数多く存在しています。これら産地には産地ごとに歴史や物語があり、日本人として理解し大切にすべきものでもあります。しかしながら、近年焼き物の産地も売上が低迷していると聞きます。産地を担う職人も少なくなっているようで残念な事です。

【食文化の継承】

 長引くデフレの影響や実質賃金の低下もありファストフードや500円のワンコインランチなど安い料理で済ませがちな日本人、特に若者達が日本の伝統的な食文化を経験する機会も減っているのが事実です。食がいつの間にか作業のようにレンジでチンして短い時間で済ますものになり、食器もプラスチックの使い捨て、4割引きで購入するのが当たり前になった今だからこそ、日本人が遺すべき食文化についてもう一度考えてみる時期なのかもしれません。

(お知らせ)

 今回でコラムは100話の区切りを迎えました。これまでお付き合いいただきありがとうございます。

 今200号でコラムの連載はいったん休止させていただき、来月より「梅山豚のあしあと」(続編)を再開させていただきます。20094月から201012月までの合計21回連載した「梅山豚のあしあと」は、梅山豚のあゆみをさらに知ることができると好評の企画でした。その後の梅山豚をどうぞお楽しみに。


# by meishanton | 2019-10-24 18:51
99.働き方改革と職人技

 20194月より順次施行となる働き方改革法、その中で企業が優先的に対応すべき項目として、(1)有給休暇を5日以上取得できる体制の整備、(2)労働時間把握義務への対応があります。しかしながら問題点も指摘されています。

【残業代ゼロの衝撃】

働き盛りの40歳台50歳代では、残業代が入ることを常識として住宅ローンを組んでいる人が多くいます。しかし、残業代が急にゼロになったり急減したりすると、組んでいた住宅ローンが支払えなくなり、最終的には持ち家を売却して賃貸に移る人など、人生設計まで大きく変化してしまう事にもなっています。また、残業できないため家でこっそりたまった仕事をする人も増えているようで、新たな問題も発生しています。

【職人は育つのか】

働いた分だけ技術が蓄積する仕事、例えば料理人や寿司職人、鰻職人、陶芸家、大工、そして農家もそうです。「量が質を生む」の言葉の通りで、一人前になるまで何年もかかる職業があります。いわゆる職人です。養豚も繁殖~分娩~離乳~肥育と一通り覚えるまでに最低3年はかかります。早く一人前になろうとするには、人一倍努力をしなければなりません。つまり時間が必要になるのです。また、職人の仕事にはゴールがありません。何年も何十年もかかって一流と言われる職人になります。自分と向き合いながら、その技を磨き続けるのも果てしない時間のかかる作業です。

【日本での評価】

そんな何年もかかる職人技ですが、一般的にはあまり評価されないことが多いと感じます。一握りの職人しか食べていけない業界も多々あるようです。日本ではデフレ経済が長引き、お金に余裕のある人が少なくなりました。職人技への評価が高くないことは、その業界を目指す若者も増えません。

【外国人からの評価】

一方で外国人観光客のこうした職人技への評価は年々高まっています。小豆島にて木桶でつくる2年熟成の醤油蔵に観光客が大勢押しかけ、比較的高価な醤油から売れているようです。東京の高級寿司店や鰻店にも外国人が増えています。彼らは職人の技術や伝統を認めてその対価を支払っています。逆に日本人がその技術や伝統に無頓着なのを残念に思ったりします。

【根気との勝負】

長い年月の修業は技術の鍛錬もありますが、心の鍛錬でもあります。技術が習得できずくじけそうになったり、日々同じことの繰り返しにモチベーションを維持し続けるのも難しい時もあります。しかし、いつの日かその職人技が評価される日を夢見て修行を続けるのです。そんな根気の要る作業を今どきの若者がやりたいと思うのか?スマホで検索してすぐ答えが出る、苦労しなくても明日欲しいものが届く、最短ルートで目的地に向かえるなど、根気の要る作業が少なくなった現在だからこそ、そこにチャレンジする若者をしっかりと支え、継続できる環境を整え、日本の伝統や文化を守りたいと思っています。


# by meishanton | 2019-08-02 15:43 | 社長のコラム
ゴミはいくらだ?

530日は「ゴミゼロ」の日

1975年豊橋市民から始まった市民運動で「ゴミは自分で持ち帰ろう」というものです。公園や海水浴場、公共施設などでのゴミ処理費用の増加や景観の悪化により、ゴミの減量化=意識の向上も狙って始まったもので今では日本全国に広まっています。

 最近ではマイクロプラスチックの問題で、プラスチックストロー廃止の動きやプラスチックレジ袋廃止の動きなどが活発になっています。中国でのプラスチックゴミ輸入停止の衝撃も重なり、プラスチックゴミを減らそうという意識が世界中に広まっています。

地方自治体の努力

税金で行われるゴミ処理ですが、更にゴミ有料化に乗り出す自治体が後を絶ちません。現在では実に63.8%の自治体がゴミ有料化を行っているようです。ゴミ有料化の方法は、「指定のゴミ袋を有料で販売する」というやり方で、ゴミ袋価格は各自治体によって様々ですが、北海道えりも町が45リットル1200円と日本最高値のようです。

 ゴミ袋を有料化したからといってゴミ処理費用を全て賄えるという事はありません。しかし、自治体の財源が今後も厳しくなると予想される中、ゴミ袋を値上げして財源を賄い、ゴミ減量を市民に意識付けようとする動きは盛んになると予想されます。果たしてゴミ処理にはいくら必要なのでしょう?

首都東京のゴミの行方

 例えば燃やせるゴミの処理工程は、収集運搬、焼却処理、最終処分に大まかに分けられます。基本的にゴミは自地域処分の原則があり、広域でゴミ処理をすることはあっても、他の自治体にゴミ処理を委託する事はできません。人口減少社会の中、この自地域処分の原則を守りつつゴミ処理費用をどう捻出して行くのか?自治体の厳しい舵取りが予想されます。

 さらに、お金で解決できない問題も予想されます。いまだ有料ゴミ袋を販売していない東京23区、実は東京湾の埋立地の余力が残り50年と考えられています。自地域処分の原則をも揺るがしかねない未来、抜本的な解決策が必要になっています。

ゴミが資源に変わる日

 一方、ゴミを有効活用してゴミ処理費用を抑えようとする自治体も増えています。その一つが「サーマルリサイクル」というゴミ発電です。可燃ごみを燃焼して得られる高熱・高圧の蒸気でタービンを回す火力発電の一つです。これは廃棄物からエネルギーを創出することができるため、廃棄物処理コストを大幅に低減する事も可能な技術です。さらに、ゴミが排出されるエリアで発電する事は、電力需要地に近い場所で発電する事となり送電の無駄が無く効率が良いというメリットもあります。

しかしながら、現時点では塩素ガスによるダイオキシンの対策が不十分である事や、発電効率がまだ悪く想定の半分程度しか発電できていないという課題が残っています。こうした課題を克服し、費用を抑えながら安全なゴミ処理を実現して行くことは、今後世界が直面する課題として真っ先に日本が取り組むべきことのように感じています。


# by meishanton | 2019-07-24 18:40 | 社長のコラム

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