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新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます

皆様にはお元気に新春をお迎えの事とお慶び申し上げます。

2019年は様々な事業継続すら危ぶまれる出来事に翻弄されながらも事態は好転し、毎日梅山豚に向き合い、ご注文のあった方々に梅山豚肉をお届けすることができました。もしかしたら奇跡的な事なのではと感じるくらい忘れられない1年になりました。

4月代表の私が感染症で生死の境を彷徨い36日間入院しました。令和の幕開けを病院のベッドで迎えるスタートになりましたが、回復も早く今では病気が嘘のように働くことができています。

また農場スタッフに相次いで退職者が出たことから、退院後農場改革を次々断行し、タイからの技能実習生も初めて迎え入れました。31歳の女性実習生のワンちゃんは頑張り屋で、日本の寒さにも負けずあっという間に農場の戦力になりました。

そんな中、国内では豚コレラが猛威をふるい遂に隣の埼玉県にまで近づきました。いよいよ国もワクチン接種を認可し被害の拡大は収まりそうな気配となっています。

10月には大型台風19号により近くを流れる利根川が氾濫危険水位を超え、地元に避難指示まで出ました。危機一髪のところで利根川の氾濫は免れましたが生きた心地のしない夜を過ごしました。

そもそも梅山豚は私たちが直輸入する前に日中友好の贈り物として中国政府から日本政府に贈られました。今でもその子孫は農林水産省の牧場に残っています。これまで様々な養豚家が農林水産省より梅山豚の払い下げを受け飼育を試みました。しかし、多産な梅山豚からは未熟児がたくさん生まれ、生存競争の激しさで事故も多く、すべての養豚家が飼育を断念しました。また、何とか飼育できた梅山豚も市場では脂が多いとか肉付きが悪いという理由で「規格外」として取引され、コストがかかるが実入りが少ない豚となっていました。そんな中、私たちが唯一梅山豚の生産を継続することができたのは、梅山豚倶楽部会員の皆様や料理人さんなど多くのファンが梅山豚を支えてくださったからです。

これからも梅山豚を中心として国産飼料の生産や、地元貢献などに活動領域を広げ、未来の農業を担う人材を積極的に採用し、さらに美味しい梅山豚をお届けできるようスタッフ一同努力していきます。

梅山豚を通じて『食』と『農』と『環境』という分野の新しい時代に挑戦し続けていく私たちを2020年もどうぞよろしくお願いします。

                 2020年1月 株式会社 塚原牧場 代表取締役 塚原昇

     

 


# by meishanton | 2020-01-09 14:22 | 社長のコラム
人工授精の取り組み

山豚は世界一の多産系豚として知られています。

しかし現実には、多産の時もあれば少ない時もあり、

その多産の能力が発揮できているのか疑問な状態が長く続いていました。

さらに、受胎率も満足できる状況には無く、

悪い時には交配しても受胎しないケースが50%を超え

計画的に肉豚生産ができない時もありました。

これは梅山豚が日本に100頭程度という原種豚であり、近親交配の影響により

どうしてもその力を出し切れないという問題が起きていました。   

こうした問題を少しでも解決する方法を考えた結果、

それまでの雄豚×雌豚の本交から人間による精液注入の人工授精に切り替える決断をしました。

(豚では人工授精はまだあまり普及していません)

そこで平成252月人工授精を導入するべく部屋を作り、顕微鏡や、

精液を一定の温度に保って保存する機械等を揃えて行きました。

当初は精液を購入して注入する事から始めました。

始めた頃は精液が逆流したりしてうまく注入できず、時間がかかることも多かったのですが、

慣れるとスムーズに注入できるようになりました。

しかし、目標としていた受胎率90%を達成するには至りませんでした。

そこで、次のステップとして自分たちで雄から精液を採取する事に挑戦しました。

採取した精液の活性を顕微鏡でその都度確認し注入する事で、

雄豚のコンディションも把握する事ができるようになりました。

こうして根気よく試行錯誤を続けた平成30年、遂に年間通じて受胎率が90%という目標を

達成することができました。

さらに1回に20頭を超える分娩も出始め(一般の豚は約10頭)、

本来の多産系という梅山豚の能力を十分引き出すことに成功しました。

今から思うと「必然」だった人工授精への挑戦。しかし、スタッフが揃ってこそできる

根気の要る作業の連続でした。

人工授精の成功により、梅山豚の生産は新たなステージへと進むことになり、

大きな可能性も拓ける事となるのです。




# by meishanton | 2019-12-11 18:44 | 梅山豚のあしあと
23.イーアスつくばにて期間限定の直営店出店

23.イーアスつくばにて期間限定の直営店出店  _b0166530_19125832.jpg

 東日本大震災は私たちにとって大きな転機になりました。

西日本のお客様からのキャンセルが増え、東京周辺は計画停電もあり

自粛ムードが広がり梅山豚の受注は低調になりました。

しかしながら、梅山豚は既に産まれて元気に生育しています。

そこに舞い込んできたのがイーアスつくばというショッピングセンターへの出店です。

直営店は初めての経験でしたが思い切って出店を決断しました。

減ってしまった受注で梅山豚に余剰が生じ始めていたのです。

お店では肉や加工品を販売し、その奥にはイートイン12席を設けました。

おなじみの点心やミックスフライ、蒸篭蒸しやキーマカレー、

豚丼など週替わりの1品メニューを設定し8週間の期間限定で提供しました。

初日は来店客も少なくどうなる事かと不安になりましたが、日を追うごとに来店客が増え、

週替わりメニューを全て制覇する常連さんまで現れました。

私たちは開店前にお店の新しいスタッフと誓っていました。

今日の売り上げは追わない事、そして未来のファンを増やす事を。

そんな私達の想いは伝わり、12席のイートインには連日100名超の来店があり

大賑わいになりました。

ラヂオや新聞、ツイッターなど多方面で取り上げられ、

最終日には閉店を惜しむ声を多く聞くことができました。

しかし、つくばでの直営店に注力すればするほど、牧場の成績は悪くなって行きました

種付け成績は下がり、子豚の死亡は増え、社内のムードもギスギスして、牧場スタッフの

不安は増し、退職する者まで。

何をやっているのだろう・・・。

浮足立った初めての直営店は大きな反省を抱えながら8週間で閉店となりました

夢だった直営店は現実から夢にまた逆戻り、自分たちで育てた梅山豚を自分たちの手で販

売するという設立当初からの目標はまだまだ遠かった事を実感するのです。


# by meishanton | 2019-11-06 19:14
22.東日本大震災により放牧を休止

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2011311日午後、忘れもしません。これまで経験した事の無い激しい揺れに襲われた東日本、私たちは2階の事務所でミーティングをしていました。何とか1階に降り携帯電話で牧場スタッフの無事を確認しようとしましたが、携帯電話がつながりません。半年前に放牧場を拡張し、数名のスタッフが放牧場で作業をしていました。


その後、2日間の停電がありました。最も頭を悩ませたのは「水」でした。梅山豚は地下100メートルからの井戸水を飲んでます。しかし、電気が無いと井戸を汲み上げるポンプが動きません。水が出ないと、母豚は水を飲めず母乳出なくなります。肉豚も水が飲めないと餌を食べなくなります。何よりも大切な水・・・親戚の井戸まで水をいただきに行ったりもしました。停電が解消して水が出たあの感動は今でも忘れられません。


その後、停電が解消してテレビのニュースを見てからが本当の苦難の始まりでした。福島第一原発の事故により放射能が広範囲に飛散しました。拡張したばかりの放牧場の土からも微量の放射能が検出され、私たち20年以上続けて来た放牧を休止する決断をしました。


さらに、深刻だったのは風評被害です。茨城県産の梅山豚は、特に西日本のお得意様を多く失いました。信頼を回復すべく私たちは独自で全ての枝肉の放射能検査を行い、結果をFacebookで毎週公表してから販売しました。放射能汚染されていない事を証明しながらも注文のキャンセルが続く毎日は不安で一杯でした。


そんな中でも、応援して下さる梅山豚ファンの方々が多くいました。真剣に安全性をPRする私たちに新たなファンも現れました。苦しみから産まれた絆を強く実感した2011年は、私たちの再出発の年となりました。




# by meishanton | 2019-10-25 19:07 | 梅山豚のあしあと
100.食の教養を深める

【安売りされる食品】

朝の新聞に入る折込広告でよく目にするのは「〇〇豆腐 ○○%引き」「卵 超特価〇〇円」「冷凍食品4割引き」等の食品の安売りです。人の身体を作る大切な食べ物なのに、安い価格についつい引き付けられるのも現実です。

 グローバル企業や大企業のおかげで、1年中トマトが食べられ、1年中サーモンが食べられ、1年中グレープフルーツが食べられます。そんな中で、季節感に彩られた日本の食文化が廃れてしまっているのも事実で悲しい気分になります。

【季節のいろどり】

 春には筍、花山椒、菜の花、新玉ねぎ、蛤、鰆、ホタルイカ

夏にはジュンサイ、トウモロコシ、ゴーヤ、ミョウガ、モモ、雲丹、鱧、鮎、

 秋には松茸、新米、栗、さつまいも、梨、秋刀魚、

 冬には松葉ガニ、白子、赤貝、牡蠣、鮟鱇、寒ブリ、フグ、クエ

 旬の味覚をその産地で味わったり、本当の贅沢を日本人は知っていたはずなのに、今ではそれを楽しみに来日する外国人観光客の方が、もしかしたら日本の季節感を楽しんでいるのではないでしょうか?

【料理を引き立たせる名脇役】

 食器も同様です。

 地方にはその地方の伝統的器や食器があります。六古窯と言われる信楽焼、備前焼、丹波焼、焼、瀬戸焼、常滑焼は900年以上の歴史があり現在も生産が続いています。飛鳥時代から始まったとされる越前塗、平安時代の遺跡からも発掘されている輪島塗、江戸切子等々、日本独特の食器が数多く存在しています。これら産地には産地ごとに歴史や物語があり、日本人として理解し大切にすべきものでもあります。しかしながら、近年焼き物の産地も売上が低迷していると聞きます。産地を担う職人も少なくなっているようで残念な事です。

【食文化の継承】

 長引くデフレの影響や実質賃金の低下もありファストフードや500円のワンコインランチなど安い料理で済ませがちな日本人、特に若者達が日本の伝統的な食文化を経験する機会も減っているのが事実です。食がいつの間にか作業のようにレンジでチンして短い時間で済ますものになり、食器もプラスチックの使い捨て、4割引きで購入するのが当たり前になった今だからこそ、日本人が遺すべき食文化についてもう一度考えてみる時期なのかもしれません。

(お知らせ)

 今回でコラムは100話の区切りを迎えました。これまでお付き合いいただきありがとうございます。

 今200号でコラムの連載はいったん休止させていただき、来月より「梅山豚のあしあと」(続編)を再開させていただきます。20094月から201012月までの合計21回連載した「梅山豚のあしあと」は、梅山豚のあゆみをさらに知ることができると好評の企画でした。その後の梅山豚をどうぞお楽しみに。


# by meishanton | 2019-10-24 18:51

梅山豚の最新情報をお届けします。
by meishanton
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