TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の議論が熱を帯びています。
TPPとは簡単には、太平洋周辺の日本、アメリカ、中国、オーストラリア、東南アジア諸国などが参加して自
由貿易圏をつくろうという構想です。そもそもチリ、シンガポール、ブルネイ、ニュージーランドの4ヶ国で始まっ
たTPPですが、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが参加の意志を表明し交渉に入って
います。
日本は、菅政権が検討開始を表明し、野田政権は交渉参加を表明する気配です。果たしてTPPは日本に利
益をもたらすのか?不利益になるのか?関係省庁が試算した結果は様々です。農水省はGDPが7.2兆円減
少すると予想し、逆に経済産業省と内閣府は利益になると予想しています。こうした試算の乖離は私達にTPP
に参加したらいいのかどうか一層分かりにくくしています。
しかし、TPP参加9ヶ国では既に24の分野で作業部会が立ち上げられ、合計9回にわたる全体会合が行わ
れています。この中では相当進んだ議論がされており、日本は参加表明をしていないという理由で、情報が政
府にも提供されていないようです。
さらに、参加を表明しても既参加国の検討に半年以上時間がかかるとされ、実際の参加は来年の夏頃にな
る見込みらしく、その間に参加国の実質的な協議はさらに進み、日本の交渉余地はさらに狭まる恐れがある
とも言われています。
今回のTPP問題が不思議なのは、FTAなどの2国間交渉でも数年はかかりそうな膨大な課題を、1~2年で
検討しようという事です。仮に日本が参加すると日米の比重はGDPで90%を超えるようで、アメリカが日本に
早期の交渉参加を要請する理由がそのあたりにあるようです。
ペリーが来航した後開国した日本は、不平等条約を結ばされます。不平等の主因「関税自主権」を回復する
まではかなりの年月を要しました。しかし、今TPPでは関税(自主権)を無くそうとしています。歴史を振り返
り、アメリカの要請に再び応じて後悔しないような深い議論が必要に思えてなりません。
つづく